老舗110余年の伝統と
みそ加工品開発40年の進化の蓄積を力に
新たな食シーンの創造をお客様とともに
1909年(明治42年)、みそ・醤油の醸造で事業をスタートした上高地みそ。よい素材を厳選し、酵母や麹による発酵を人がサポートするという謙虚な姿勢での丁寧な造りを大切に、味と品質を高める努力を続けてきました。
2016年の本社・工場移転を機に、素材の吟味や工程の管理、品質へのこだわりを徹底した上で醸造を協力工場に委託しました。味の伝統を絶やすことなく、長くご愛用くださっているお客様の「この味でなくては」というありがたいお声に応える製品をお届けしています。
「上高地」ブランドのみそ舗として
弊社が日本屈指の景勝地として愛され続ける「上高地」を商品のブランドに掲げたのは1934年。「信州味噌」と醤油の醸造元として、首都圏や関西圏をはじめとする多くの方々のご家庭に信州を代表するおいしさをお届けしたいとの願いを込めての商標登録でした。
同時に、澄んだ水と空気、神々しいほどの自然景観に包まれた上高地のように、混じり気のない確かな製品づくりを貫き、お客様のご信頼を決して裏切らないという企業姿勢の表明でもありました。1964年には社名も「上高地みそ」とし、その想いを継承。おかげさまで、地元で一定の認知度と支持をいただくに至っています。
時代の変化に対応し、業態、施設・設備の改革を進めていますが、これからも初心を忘れることなく、「上高地」ブランドにふさわしい製品ならびに誠実なサービスの提供に力を注いでいきます。
加工みそメーカーとして
日本人の食が多様化していくことを想定し、弊社は1978年から調理みその開発を手がけ、数々のみそ調味料、みそソース・みそだれを世に送り出してきました。
健康に寄与する食品としてのみそ本来の性質を大切にし、ご家庭で安心して召し上がっていただける製品づくりに力を入れて取り組んでいます。加工に用いるゆず、山椒なども品質を優先して上質なものを厳選。家庭のお料理を簡単にワンランク上の味わいに変える調理みそと、ご好評をいただいてきました。
さらに、全国の食品メーカー様、流通小売業様などから業務用、市販用、PB開発、新商品開発等のご要望をいただき、それにお応えするなかで開発ノウハウと加工技術に磨きをかけ、進化を続けて今に至っています。
時代のニーズに応える設備・環境
上高地みその商品開発・製造を支えるものの一つが、2016年に新築した工場と、そこに導入した設備です。
新工場では、「お客様のニーズに的確にお応えする」ことを第一義に、高レベルな衛生環境、正確できめこまかな加工対応、確実な品質検査を実現する設備・オペレーションを設計。お客様の“みそ味”のイメージを具現化するとともに、みそ本来の安全性を完成品としてもしっかり保持する製品だけを出荷する体制を確立しています。
全国の食卓で愛される「信州味噌」
みそは、大豆、麹、塩を原料に、自然の発酵作用を生かして造る、日本の伝統的な調味料。麹の種類別に、主に「米みそ」「麦みそ」「豆みそ」に分類されます。原料の配合、仕込みの方法や環境、熟成時間などにより、それぞれに色合いや風味の異なるみそができあがります。
このうち、米の麹を使って醸造するのが「米みそ」で、全国のみその80%を占めています。なかでも長野県のみそ醸造場で造られる「信州味噌」は、オーソドックスな味わいが人気で、全国で生産・消費されるみその約50%が「信州味噌」です。
「信州味噌」とは
1923年の関東大震災で首都圏の多くのみそ蔵が被災した際、長野県から救援物資として送られたみそが、やがて首都圏の食卓に浸透しました。風味にくせがなく明るい山吹色の米みそは好評で、「信州味噌」として知られるようになりました。
米みそそのものは全国各地で生産されますが、現在は長野県内のメーカーで造られる主に米みそを「信州味噌」と呼んでいます。素材を引き立てる「信州味噌」は、みそ汁や鍋の味付けに好まれます。また、さまざまな調味料、スパイスなどとも組み合わせやすく、加工に適しています。
上高地みそは、信州味噌の醸造蔵として創業して以来、100年以上にわたり信州味噌の味や品質の向上に努めてきました。その過程で蓄積したみそのプロとしての専門性を発揮し、現在の主力事業であるみそ加工に取り組んでいます。
全国のご当地みそで新しい味を
地域の個性を出す、地域で親しまれている味を再現する、新しい味わいを創り出すといったニーズにお応えし、全国各地のご当地みそを使う商品開発にも取り組んでいます。
各地のみそメーカーとのネットワークを生かして全国からさまざまなみそを調達できるのが、上高地みその強みの一つ。「どこで使う?」「どう使う?」「どんな食材と合わせる?」など、使用される状況や食のシーンまで想定して配合や包装を検討。お客様のご要望を実現する商品を創り出します。