社長ブログ

このお味噌でないと・・・

昨年の7月以来、半年間、コラムを休筆しておりました。ひとえに多忙を理由にした私の怠慢によるもので、お読み頂いておられた方々には心よりお詫び申し上げます。

さて、社内の人繰りの関係で、この半年間、仕込味噌に関わる事が多くなりました。
仕込味噌とは、春先に蔵元で仕込んだお味噌をお客様にお届けし、お客様のお手元で半年間熟成させて秋から召し上がってもらうタイプのお味噌です。
長期熟成の旨みと、熟成環境の違いによるご家庭毎の味の違いが特徴で、このコラムでも何度か取り上げました。

件数的には圧倒的に個人のお客様中心で、近隣の方にお届けに行くと、母や祖母の代から使っているとか、
東京にいるお子さんもこの味噌をでないとだめで送ってあげるといったお話をよく聞きます。
面白いと思うのは、「この味噌でないと」とおっしゃるのですが、仕込味噌は時間の経過と共に味が変わります。
春に仕込んで10月頃食べるお味噌と、それを毎日使いながら翌年春に食べるお味噌、そして2回目の夏を越えて真っ黒くなったお味噌では、外見や組成、風味も相当違います。
次の年の仕込味噌と合わせて(ブレンドして)使っているというお客様もおられます。
更に、こうした経時変化だけでなく、大豆の出来不出来やその年の天候によっても味や組成が変わります。
そうした風味の違い、品質の変化をすべてひっくるめて「このお味噌」とおっしゃっておられる訳です。

他の多くの食品は、風味や色合いなど、「品質」の変わらないことが重要視され、
消費期限や賞味期限が設けられており、「食べ頃」や「旬」に食べるのが推奨されます。

こう考えると仕込味噌という食品の特徴がわかりやすくなります。
時間軸のある、生活に溶け込んだ調味料とでも言いましょうか。残念ながら年々販売量は減少しています。
「まだ去年のお味噌が残っているから今年は見送って来年」とおっしゃっていたものの、その後ご連絡がなくなったり、新聞のお悔やみ欄でご注文下さる方のお名前を見つけることもあります。

一方で、「今まで実家の母から貰っていたが今年から直接注文します」や、「近所に分けてあげたら評判で、今年は1箱増やします」といったお電話も頂きます。
お客様とのこうしたコミュニケ-ションを励みにして、頑張って販売して行きたいと思います。

現在、今年の仕込味噌の予約受付をしておりますので、是非皆様お試し下さい。
こちらからご予約・ご購入いただけます。


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「みそ」は、日本が誇る発酵食品の代表であり、世界の美食家をも納得させる調味料です。
私たち上高地みそは、その素晴らしい食品の専門企業として、1909年、長野県松本市で創業して以来、百有余年の歴史を刻んできました。現在、私たちは、これまでの老舗の伝統と新しい味作りの革新を融合して、飲食店様や食品メーカー様からのOEM・ODM受注にも積極的に取り組んでいます。
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