社長ブログ

価格改定への取組み

このたび上高地みそでは、2025年6月1日より商品の価格を改定させていただくこととなりました。
味噌および味噌加工品の多くが対象となります。
これは2022年の価格改定に続く、2回目の全体的な見直しです。

私たちとしても、できる限り価格を据え置く努力をしてきました。
しかし、今、日本の食品業界全体がこれまでにないほど厳しい局面に立たされているのが現実です。

今回のブログでは、なぜ価格改定に踏み切ることになったのか、その背景や私たちの取り組みについて、率直にお話しさせていただきたいと思います。

お米が足りない──味噌づくりの根幹に関わる問題

価格改定の直接的な理由は、昨年から続いている国産米の品不足と価格の高騰です。

味噌の主原料は、皆さんもご存じの通り「大豆」と「米」。
特に上高地みそでは、麹づくりに使用する国産米にこだわり続けてきました。

しかし現在、そのお米が手に入りにくくなっているのです。
加えて、価格も急激に上昇しています。

スーパーの店頭でも、「新米の値段が高いな」と感じた方も多いのではないでしょうか?
それは、味噌を作る私たちにも、まさに直結している問題なのです。

値上げだけが対策ではありません

「そのまま値上げすればいいのでは?」と思われる方もいるかもしれませんが、私たちはそう簡単には結論を出しませんでした。

まずは自社内でできることを徹底的に取り組んできました。

たとえば、生産効率を上げる工夫です。

同じ商品をまとめて製造すれば、準備や後片付けにかかる時間が減り、効率が良くなります。

また、製造ラインの切り替え回数も少なくなり、ロスも減ります。

しかし今回は、原料そのものが大幅に値上がりしているため、いくら効率を上げても吸収しきれない部分が出てきてしまいました。

しかも、今後生産量が増えればコストアップを抑える工夫の余地も広がりますが、消費者の皆様の節約志向の高まりを考えますと、先行きについては慎重にならざるを得ません。

影響は国内だけでなく、世界的な流れも

今の物価上昇は、日本国内だけの話ではありません。

世界的な農産物価格の高騰円安の影響、さらには物流やエネルギーコストの増加が重なり、じわじわと私たちの生活に影を落としています。

さらに、日本国内では人手不足が深刻化しており、それに伴って人件費も上がってきています。
こうした要因が複雑に絡み合い、味噌製造にかかるコスト全体が上昇しています。

私たちとしても、可能な限り企業努力を続けていますが、それだけではどうしてもカバーしきれない部分があるというのが、正直なところです。

短期的・中長期的な対応の両立を目指して

短期的には、やむを得ず一部のコストをご負担いただく形となってしまうことを、大変心苦しく思っております。

しかし、これは単なる値上げではありません。
未来への投資でもあります。

中長期的には、以下のような取り組みを進めています。

🔹設備投資など製造ラインの見直しによるさらなる効率化
🔹新商品や新サービスの開発による価値の向上
🔹従業員の働きやすさを追求した人材投資

これらは、今後ますます加速する人手不足や国際情勢の変化にも対応するための準備でもあります。

私たちは、今回の価格改定をその第一歩ととらえています。

お客様と共に、この時代を乗り越える

私も日々、1人の消費者としてスーパーで買い物をしています。
野菜、パン、牛乳……あらゆるものが少しずつ高くなっていることを、肌で感じています。

だからこそ、お客様の「また値上げか……」というお気持ちは、痛いほどわかります。

それでもなお、上高地みそとしては、これからも「安全でおいしい味噌を、確かな品質でお届けする」という使命を果たし続けたいと考えています。

味噌は、日本の食卓に欠かせない調味料です。
毎日のお味噌汁に、季節の味を添えるお漬物に、ふるさとの味を思い出させてくれるあの風味に私たちのお味噌が、少しでも心温まる存在であってほしいと願っています。

最後に

今回の価格改定は、私たちにとっても苦渋の決断でした。

しかし、これを機に、より良い製品づくり・お客様との信頼関係の構築・社会全体への貢献につながるよう、全社一丸となって努力を続けてまいります。

どうか皆さまのご理解とご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

今後とも変わらぬご愛顧を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

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