家庭で余った食料品を子ども食堂などに寄付する「フードバンク」に協力しようと、賞味期限まで1ヶ月以上ある食品を家の中で探してみました。
しかし、意外とそういう食品は少なく、結局、調味料など2点しか提供できませんでした。
一方で目についたのは、中途半端に使って期限が切れてしまったり、そのまま放置されてダメになった食品でした。
こうした「食べ残し」や「使いきれない食品」が出るのは、家庭での管理が大事なのはもちろんですが、私たちメーカー側も「商品の入っている量が適切か」を考え直す必要があります。
世帯人数が少ない家庭が増えている中、もともと内容量を減らして無駄を減らす工夫はあったものの、最近は原材料や製造コスト高騰を背景に、内容量を減らして実質的な値上げを避ける「ステルス値上げ(見えない値上げ)」が行われることもあります。
内容量を減らせば、消費者が食品を余らせずに使いきりやすくなり、食べ物の無駄を減らせるかもしれません。
しかし、商品パッケージの外観をあまり変えずに中身だけ減らすと、相対的に包装資材のコスト割合が上がってしまいます。
近年は「見た目重視」の傾向が強く、華やかなパッケージは目を引く反面、中身より包装にお金がかかることも珍しくありません。
内容量だけ減らして見た目をそのままにしておくと、こうした資源の無駄がさらに増える可能性があります。
私たちは、「食べきれる適正な量」と「無駄の少ない機能的な包装」をしっかり検討する必要があります。
きれいなパッケージや高級感が価値になる場合もありますが、たとえば普段使いの調味料なら、華美な包装よりも、適度な量で最後まで使い切れる、環境に配慮したシンプルなパッケージが求められるかもしれません。
メーカーや流通業者、そして消費者も、商品が本来提供する「価値」を考え直し、それを適正な価格で、無駄なく使いきれる形で届けるにはどうしたらよいか、一緒に考えていくことが必要だと思います。