GWも目前に迫り、弊社のある長野県中信地方の安曇野では田植えも始まり地元のニュースでも取り上げられました。以前のブログで開発室長が取り上げたとおり4月、5月は山菜のベストシーズンになります。手軽なところでは畦道で採れるふきのとう、ナズナなどからコゴミ、タラの芽、ウド、コシアブラ、ワラビと好きな人には忙しい日々が続きます。そして畑の野菜も出回るようになると急に動き出す商品があります。前回のブログの酢みそなども春先よく動く商品ですが、この商品は逆に秋から冬にかけては全く動かないとも言えます。
その商品は「早漬け調味しょうゆ」です。
弊社はお味噌関係だけでなくお醤油などの商品も扱っております。
こちらの商品、その名前の通り、野菜を切って漬け込むと手早く早漬けが出来上がる商品です。
今は大手メーカーさんなどから同様の簡単に浅漬けができる調味料などが広く販売されていますが弊社の早漬け醤油は私が入社するずっと前から販売しており、漬け材商品としてはかなりの古株商品になると思います。昔ながらの醤油の味が強く、スッキリした味に漬け上がるのが特徴です。
その分、塩味も強く感じるので水などで好みに合った分量に割って使うことになります。
かつては多くの小売店様などで扱っていただいておりましたが、そういった使う際の手間や減塩指向の髙まりもあり、手軽な大手メーカーの商品が出回ってくると取り扱い先の減ってしまった商品です。
そんな「早漬け調味しょうゆ」ですが今でも根強く支持されている地域があります。
それは弊社の地元長野県と北アルプスを挟んだお隣、岐阜県です。
特に飛騨地方では現在も多くの小売店さんで扱っていただいております。
展示会や試食会で当地を訪れると「上高地みその名前は知らないけど「早漬け醤油」は使ってます!」と言う声を良く聞きます。ある店舗さんで試食販売の時には、女性のお客様から、飛騨に嫁いできてこの醤油で美味しく漬けられるようになってようやく地元の人間になれたと感じました。というお話しも伺いました。
なれないと手間に感じる使い方も皆さん、各ご家庭で工夫されているようです。飛騨の方に教えていただいた中でも特に美味しかった使い方を2点ほど。
早漬け醤油を水とらっきょう酢で割る。
これは醤油の香りにらっきょう酢の甘さと酸味が加わり、どんどん箸の進む食べ飽きない味になります。
早漬け醤油を水で割ったところに削り節を
ひとつまみ入れます。かつお風味の美味しい漬物になります。
そしてベースとなる早漬け醤油を割る水の分量は醤油に対して3~5倍くらいが良いと思います。これは野菜の大きさ、切り方、漬け時間で調整する感じになります。このあたりの手間が面倒くささに繋がってしまうところかもしれませんが、お好みのレシピを見つけるのも楽しみかと思います。また、漬け液にきざみ大葉など入れても良いかもしれません。
「早漬け調味しょうゆ」使い手を選ぶところはあるかもしれませんが飛騨地方ではお客様に育てていただいた商品と言えるかもしれません。
味噌屋達の日常